時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

アラブの絆



マブルック家の近くには高校があり、学校のそばをよくらぶらしていた。フレンドリーで話しかけてくるやつが多い。また、ちょっかいを出してくる輩も多い。センターのほうに向かって歩いていたら、途中子供たちがいて、かすれた声で何か言ってくる。可愛らしい5歳くらいの子供達だ。現地の言葉で「こんにちは」とでも言っているのかと思っていたら、聞こえてきたのは「1ディルハム」。自分の耳を疑ったが、何度聞いてもその子達は金を要求していたのだった。こんな小さな子供達が。別にアジアの貧困地域みたいに今にも飢えて死にそうってことでもないのにだ。ここの大人を見て育つとこういうふうになってしまうのか。物心つく前から「タカる」ということを覚えさせられてしまっている。大人があれだけしつこく金を巻き上げようと絡んでくるわけだ。子供の頃から染み付いている習慣だ。彼らにしてみたらまさに「挨拶代わり」なのだ。結婚している子持ちの次女がいつも「ジャポン!10ディルハム!」と小遣いねだってくるが、大人になったら1ディルハムが10ディルハムになるだけで、やっていることは変わらない。そう、理解すればなんてことはない。笑いながら「ンーン(No)」と言ってやろう。

狭い町だから何日か滞在してると知った顔も増えてきて、「アブドゥル!」となる。ハミッドのおかげで、もうこの町ではすっかり俺はアブドゥルになっていた。俺は洞窟に自分でガイド見つけて行こうかと考えていて、情報を集めにマブルック一家に内緒でセンターをよく訪れていたのだ。

その日センターから家に戻るとハリラというスープをご馳走してくれた。ツアーの申し出を断り続けていたときだったので少し機嫌をそこねていたハミッドだったが、急に俺に対して優しくしだした。その変わりっぷりにはびっくりさせられる。これぞアラブ圏の人というほどの見事なもんだ。まさに典型的なうさんくささを発揮した。町での友人関係から彼は人望が厚そうだったが、アラブ圏ではこういう人間が尊敬されるのかもしれない。この町には6000人ほど人が住んでいるとのことだが、ハミッドはたいていのやつは知っているといっていた。それが誇張と思えないくらいに友達が多い。うさんくさいやつが人望を集める社会なのだろうか?いや、ハミッドは本当はいいやつなのかもしれない。わからない、でもとにかく面白い。

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