時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

飯と家計



昼飯を一緒にいただくことにした。ハミッドが金額をとうとう言ってきたからだ。1食30ディルハム。悪い金額ではない。サラダとタジンとパン。パンはアルームと呼ばれ1日3食に必ずついてくる。残念ながらライスは一切食べないのでいつもパンだった。てっきり一緒に食べるもんだと思っていたら運ばれてきたのは俺の分の食事だけ。よく考えたら朝もいつも回りに人はいたものの、皆食べずいつもひとりで食べていた。何か別のものでも食べてるのかとそのときは思っていた。

夕食も家で食べることにした。高くしないと言っていたので信じることにした。晩飯にはキャバーブを出してくれた。彼らは部屋の中でキャバーブを焼いていた。そのほうが部屋も暖まり具合がいいからだ。犬も寒いらしく家に入りたがっている。入ってくるたびにハミッドが追い出す。そんなやりとりが何回も続き、俺を笑わせた。ハミッドがケバブを5本、俺のために焼いてくれた。また、俺の分だけだ。「一緒に食べよう」、そう言ってもやはり先に食べてくれという。そしてこの後この一家の真実を見ることになった。家族13人でケバブをなんと10本ほどしか焼いていなかったのである。どう考えても足りない量だ。うまそうなところを2〜3本パパに持って行った後、残りをみんなで分けていたのである。彼らはすごく貧乏に違いなかった。朝飯も昼飯もろくに食わないのはそのためなのだろう。

翌日からセンターで食材を買って帰ることにした。高いツアーには参加できないが食べる物くらいは買っていくことが出来る。タジン鍋用の牛肉1キロ65ディルハムケバブ用の牛肉1キロ90ディルハム、卵30個入りで26ディルハム、パン1キロ10ディルハム、思ったより高いことに気づいた。食べ物を料理担当の次女に持っていくと、いつもとてもよろこんでくれた。

ある日の朝食に初めて卵料理が追加されたときがあった。いつもはパンだけなのに。なぜだろうと考えていたら答えはすぐに分かった。客にフランス人カップルがその日はいたからだった。当然、次の日は卵は出なかった。全く笑わせてくれる。そして卵どころか、ついにパンもでなくなった。朝食を催促すると、ハミッドが俺に金を貸してくれという。お金を貸すとハミッドはその金を弟のサイードに渡した。サイードはどこかに消えていく。そしてしばらくすると、パンと共に戻ってきたのである。それからというもの、食事前にはハミッドが金貸してくれと言ってくるようになった。そうとう切羽詰っているようだ。

スープだけの晩飯が2日続いた。晩飯にスープとパンのみ。ダイエットでもしているかのような晩飯だ。しかしスープは体が温まるのでとても貴重だ。スープだけでもじゅうぶん晩御飯になることが分かった。晩飯のとき、パパがスープをすすった後、急に怒り出した。そしてスープのお椀を地面にたたきつけた。「このスープを作ったのは誰だ!!」それはまるで海原雄山のごとく、パパが吠えた。パパは英語は喋らないが、「ジャポン」という言葉はところどころに聞こえた。俺が何か関係しているのか?英語を少し喋れる高校生の四女が状況を説明してくれた。パパが怒った理由はスープの塩が薄いからとのことだった。パパは、客にこんなのものを出すなと、そのために怒ったのだった。そして次女がスープを作り直し持ってきた。そして、そのスープをありがたくいただいた。パパの気持ちがこもったスープは心まで温めてくれた。家族13人と俺で鍋のスープをひたすら飲んだ。食べ物のありがたみが身にしみて分かる。「ごちそうさま」そう言って席を立つとパパが一言、「茶飲んでけ」

写真は演奏をするパパ

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