時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

砂漠



砂漠では人に世話されなければ生きてはいけない、圧倒的な無力さ、飯も水も移動手段も、なにもかも、甘えたくそガキ同然だ、腹減った、のど渇いた、助けてくれ、というメッセージを必死で送らなければならない。

ただ飯を食って寝る、という簡単な日課も、ここでは重要かつ難易度の高いタスクへと変貌する。この無力感だ、ただ生活するだけで、ただそこにいるだけで、依存はまるで決められた運命のように一人歩きを始め、そしてその歩みを止めることはできない。

車がなければ、ラクダがいなければ、誰かがいなければ、喉が乾いても水道などない、ましてやコンビニなどあろうはずもなく、助け合わなければ生きてはいけない、しかし俺に出来たのは「金を出す」ということだけで、まるで生まれたばかりの子羊のように無力、道も分からない、ヤギやラクダのさばき方もわからない、水がどこから、そしてどれだけあるかすらも把握できない、そんな状況、乾燥しきったフランスパン、味もなにもないクスクス、ヤギの臭い肉、そんなものがとてつもなくありがたく、そしてこの土地はあまりにも過酷だった。