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『はじめての不倫学』の書評

『はじめての不倫学』を読んだ。

 

著者は坂爪真吾さんで、一般社団法人ホワイトハンズの代表。性の健康と権利を享受できる社会の実現をライフワークにしている人だ。

 

この本は、個人の問題だとずっと捉えられてきた不倫問題を社会問題として解決していこうという趣旨で書かれている。

 

不倫は結婚している人になら誰にでもその危険に巻き込まれてしまのということがこの本を読んで分かった。不倫のセックスの味をしめてしまったらそれは麻薬のようなもので、その中毒性は計り知れない。どんなに偉大な人物でもその誘惑には勝てない。リスクがあればあるほどその気持ちよさは増すので、社会的地位の高い人であればあるほど失うものも大きいが、それだけ気持ちよさも増すからだ。失うものの大きさでその気持ちよさが変わると言える。背徳感が強ければ強いほど、批判される環境であればこそ、その快楽はさらに増す。またセックスレスなどで精神的に欠乏している人が久しぶりにセックスをすると気持ちがいいのはその落差があるからで、やはりその場合にも快楽は増すのだ。

 

さらにはSNSなどの広がりで、不倫しやすい環境にさらされているということもある。ツイッターなどをみているとセックスレス女性の悲痛な叫びが痛々しいほどに目につく。そのツイートに共感する人たちも多い。「好きな人に相手にしてもらえない辛さ」といったようなフレーズは本当に多い。ツイッターと言うはけ口が出来たことで表面化してきたと言えるだろう。

 

この本には通俗心理学に基づいて、どんな男性や女性が不倫をしやすいのかも書かれているが、なんとも的を得ていると思った。不倫は、まさに明るみに出てこない問題だけあり、どれだけ水面下でその麻薬におぼれている人がいるのだろうかと思わされた。ここに書かれている性格の人物はみんな浮気なり不倫をするのではと錯覚してしまいそうになる。

 

そして、人が不倫する動機を10パターンに分けて分析もしている。人がどんな動機で不倫をすることを載せることは、なんだか不倫を解決するというよりも逆にこの心理を利用して不倫をしようと思う人間が出てもおかしくないなとは思った。それほど細かく不倫をする人間の動機が網羅されている。まるで不倫の教科書のようにだ。

 

不倫の善悪についても考えさせられる。不倫はイコール悪いこととして結び付けられるが、その濃淡はきっとあるだろう。不倫の動機によってその善悪の濃淡は変わってくるのではないかと思った。そのように考えないと、絶対悪だと不倫をした人がひとくくりにされる。不倫をされた人がどれだけ傷ついたかを考えることもその濃淡の判断材料になる。細分化して考えていくことで、相手の不倫の再発を防止できるかもしれない。不倫について考えなければならないことはきっとたくさんある。

 

既婚男性との恋愛経験がある30~40代の女性への「どこで知り合ったか」というアンケートの結果も載せられていて、「とある場所」が約6割を占めていた。どこで不倫相手と知り合えるかという人には良い情報のようにも聞こえる。やはり取材すればするほど不倫をする人への有力情報のようにも思えなくない。「なるほどここで不倫相手を探せるのか」と考えてしまうからだ。少なくとも意識してしまうだろう。

 

不倫してしまいそうな人は読まないほうがいい。

 

 


はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

 

 

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