時間がくねくねしてなくてよかった

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なぜ安田純平さんは過剰に叩かれるのか

安田純平さんに関するネットニュースなんか見ていると、とにかく自己責任論が目立つ。

 

確かに、一度拘束されていてさらに捕まるというのはとんでもない愚かな行為なのかもしれないし、日本国に迷惑がかかる行為だろう。はっきりいってまったく支持などはできない。

 

しかし、余りにも攻撃的に非難する声が、気味が悪いほどに目立つ。

 

ヤフーニュースなどで「生きて帰ってきて良かったなどと聞くと虫唾が走る」というような過激な発言に「いいね」が3万回ほど押されていた。

 

税金の無駄遣い、テロリストの資金源になる、誘拐が増える、そんな理由が挙げられている。

 

しかし、本当にそんなことに腹を立てているのだろうか。たとえもしも税金が一億円かかったとしても、一人あたりおよそ1円の負担でしかない。安田純平さんみたいな人が100人いても、一人あたり100円の負担だ。非難している人の個人的な損害は極めて少ない。カタールが3億円負担していたとして、それがイコール日本の負担になり、3億円があれば日本で困っている人などに何か出来たのではないかと考える人はいるだろう。しかし、その困っている見ず知らずの誰かのために本当に怒っているのだろうか。

 

安田純平さんの身勝手な行動のせいで、外交的に立場が弱くなり、日本の経済に影響を及ぼすということもあるかもしれないが、「生きて帰ってきて喜ばれることに虫唾が走る人」一人ひとりに対する負担はそれほど大きなものにはならないだろう。

 

安田純平さんがシリアで二度目の拘束をされて、日本が中東の近隣諸国に解放の要請をしたとして、カタールが自ら(それとも要請を受けて)動いて解放に成功して、テロリストに金を払っていたとして、非難している個人にどんな影響を及ぼすというのだろうか。愚かなジャーナリストとしての汚名が世界中に浸透し、世界的な日本の評価が下がるような気がして、一日本国民として許せないのだろうか。

 

テロリストの資金源になったところで、非難した人が迷惑をこうむることもほとんどなさそうであるし、そして非難する人が紛争地域にいくこともないだろうからテロリストの被害に合う可能性も極めて少ないだろう。本当にシリアの内戦が長引くとか、テロリストが武器を手に入れたことによりより被害が拡大するかもしれないからとか、そういうことを気にして安田純平さんを徹底的に集団で非難しているのだろうか。

 

つまり何が言いたいかといえば、非難している人にとって、その人の実生活にはほとんど(というか全く)影響がないにも関わらず、なぜそれほど凶暴に、攻撃的になれるのかということだ。

 

安田純平さんが身勝手なことをしたせいで、自分の息子がテロリストに殺された。そのようなケースなら理解できる。安田純平さんの行為に対して、大きな影響をもたらされた人なら攻撃的にもなるだろう。

 

私の考えでは、当たり前のことなのだが、よほどその行為が気に入らなかったのだと思う。よほど日本人は身勝手な行為が気に入らない。すくなくともそう解釈できる。身勝手な人間はどこにでもいて、そんな人は周りに大きな迷惑をかける。日本人はそんな人間がとにかく嫌いなのだ。非難する人は迷惑な人間がきっと近くにいて(もしくは過去に嫌な思いをして)、腹立たしいので、安田純平さんという叩きやすい人間を利用して「迷惑な奴はまじで自覚しろよ!」と大きな声で伝えたいのではないだろうか。それが安田純平さんでも誰でもいいのだ。伝えるための格好の材料になったに過ぎないのではないだろうか。繰り返すが安田純平さんの行動で大きな損害を被った日本人などほとんどいないのだから。

 

強いて言えば、真っ当に活動している他のジャーナリストにはいい迷惑だろうなと思うくらいだ。