時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

今日の英文vol.4

 

Xue Vang had long known that his job deicing planes, loading bags and chocking wheels at the Montana winter, when blinding snow and rain obscure the spinning engines that can suck in a human body.

 

 今日の英文はアメリカの雑誌『TIME AUG.2 / AUG.9, 2021』から。記事のタイトルは『Work in Progress』。アメリカの最低賃金に関する話で労働者へのインタビューや新型コロナウイルスと絡めての労働者の動きなどが取材してあって面白かった。

 

上記の文章は記事の冒頭の文章を抜粋したもの。空港で低賃金で働く労働者の話をしている。

 

一行目の「deice」はあまり見慣れない単語だったが「除氷する」という意味。接頭語の「de」は離れるという意味があるのでそれにiceがくっついている形なので、一度覚えてしまえば忘れない。

 

「chock」も知らなかったが「(車輪などを)固定する」という意味らしい。モンタナ州がどの辺りかさっぱりわからなかったので調べてみるとアメリカ北西の州でカナダと隣接して冬は寒そうな場所だ。「blinding snow」とあるが、これは視界が悪くなるほどの雪という意味だろう、「obscure」はぼやけさせるとかはっきりしないという意味だ。ちなみに「obscure」は「オブスキュアー」と読むが「ブスは目鼻立ちがはっきりしない」と覚えると良いと何かに書いてあって私もそれでこの単語は覚えていたのだかひどい覚え方だ。でもそのインパクトのおかげで忘れない。

 

そして今回この文章を取り上げたのは最後のセンテンスが含まれていたから。「can suck in a human body」。前の文章も含めると「視界が悪くて回転しているエンジンに巻き込まれてしまう可能性がある」というような意味になるが、慣れていないと少し立ち止まってしまう一文なのではないかと思う。というのも最後を直訳すると「回転しているエンジンは人間の体を巻き込むことができる」となるが、英語はこのように人でないものが主語になっていることが日本語よりも多い気がするので慣れていないとイメージするのにちょっとだけ想像力が必要になる。日本語であれば受動態となり「エンジンに巻き込まれてしまう」という文章にすることがきっと多いだろう。(でも日本で記者として記事を書いていたときも受動態は主語が不明瞭になるからやめろと言われていたので英語でも記事になるような文章では主語をより明確にしているということはあると思う)。

 

ちなみにインタビューを受けたVangさんはこの仕事で時給$11.50を稼ぐそうだ。部下のBonneyさんは時給$10.40。この記事にはモンタナ州で一人暮らしをしていくには最低$14.13が必要だと書いあったが、やはりBonneyさんはこの仕事を辞めて今はローカルカジノでサブマネージャーとして働き時給12$をもらいさらにチップで稼いでいるそうである。

 

他の労働者の話も面白く、やたらみんなストライキを起こしたり結構勝手なことをしている。チポトレメキシカングリルというレストランで3年働いて給料が15セントしか上がらなかったことに憤慨した二十歳の女の子はスターバックスにサクっと転職し賃金もあっという間に上がりカレッジスカラーシッププログラムやら無料のメンタルケアやらも受けているそうで、アメリカで低賃金だと文句を言っている人たちはただの面倒臭がり屋なんじゃないだろうかとちょっと思った。