時間がくねくねしてなくてよかった

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今日の英文vol.8

今日の英文は『TIME AUG.23 / AUG.30, 2021』から。記事のタイトルは『Space The Next Frontier』。

 

More than a few people worry that giddy ambition, human hubris and the limits of technology might conspire once again, just as we're telling ourselves that the cosmic skies are safe for everyone.

 

2-3以上の人々が心配しているそのめまいを起こさせるような野心、人間の自信過剰、そしてテクノロギーのリミット、それらがおそらく共謀するもう一度、ちょうど我々が言っている時に、我々自身に、宇宙の空は誰に対しても安全だと。

 

多くの人は酔いしれた野心、人間の過剰な自信、テクノロジーの限界がまた、共謀すると心配している。それはちょうど宇宙は誰に対しても安全だと自分たちに言い聞かせているときに起こる。

 

この文章の前にかつてのアポロ1号の爆発事故、コロンビア号の空中分解事故などの記述があったため、「もう一度共謀する」という表現になっている。ただ、このような英文を読むときには、予備知識が前提となっていてアポロやコロンビア号の事例がなくいきなり「once again」というような言い方をされることもあるので、やはり英文を読むには英語が単純にできるだけではなく、知識や想像力が必要になってくるなあと思う(まあそれは英文に限らずなんだけど)。

 

この記事では、初めて政府の人間を抜きにした市民だけで構成されたメンバーで宇宙へ行くという4人の話が紹介されていた。男性2人、女性2人の4人のチームで、リーダーは38歳のジャレドさん。「Draken International」という「world's largest private air force」つまり世界一の民間の航空機関連企業の設立者として紹介されている。会社のホームページを見てみるとアメリカ軍から仕事を受け航空機に関連する仕事を請け負っているようだ。

 

ジャレドさんは根っから飛ぶことが好きなようで、以前にも10000フィート上空で無理なパフォーマンスをしようとして死にかけている。そんな文章も紹介されていた。

 

ジャレドさんは38歳でビリオネア。Shift4というオンラインペイメントを担う企業のCEOを務めているようだ。

 

"it's a multiday orbital mission, and there's just a lot of time for things to go wrong."

 

それは数日の軌道上のミッション、なので間違いが起こるための時間はたくさんある。

 

イーロンマスクで有名なSpaceXの宇宙船ドラゴンに乗り込み3日間におよび宇宙の軌道を周回するという「Inspiration4」という名のミッション。全自動運転でかなりの確率で安全が確保されているのだがこのような発言も彼の口から飛び出していた。根っからの冒険好きなのだろう。むしろ何かトラブル起きないかなあとすら思っているに違いない。

 

また、今回の宇宙への切符代は一人5000万ドルと見積もられている。

 

Inspiration4の一つの目的はSt.Jude Children Reserch Hospitalのファンドのためで、2億ドルを目標にしているという。ジャレドさん自身は自ら1億ドルを寄付しているそうだ。

 

また、一緒に宇宙へ行くクルーの選び方が斬新だった。

 

彼の他に宇宙へ行く3人のうちの一人は寄付を目的にしている病院の従業員にした。もう一人は単純にくじで決め、最後の一人はジャレドさんがCEOを務める「Shift4」のソフトを使用してオンラインストアをデザインさせSNSキャンペーンでコンペをさせて決めるというもの。その最後の切符は51歳の地球科学の教授を務める女性が手にした。彼女は2009年のNASAの宇宙飛行士募集において3500人の立候補者の中から最後の47人に絞られた段階まで残ったという人物だという。

 

しかし今回の宇宙旅行は批判も多かったようで、記事には宇宙旅行はとても高価で、チャリティー目的でそんな金を使うのなら地球上の他の問題に使うべきではという言い返しようのないぐうの音もでない批判も紹介されていた。

 

出発前に出版された『TIME』の記事では大きな写真とともに9ページの長文記事だったが、彼らはすでに9月に飛行を終えて無事に帰還しているようだ。ジャレドさんのインスタグラムやツイッターはさぞ盛り上がったんだろうとのぞいてみると、記事の規模にしては盛り上がりに欠けている印象で、インスタのフォロワーも38000人、ツイッターのフォロワーも81000人と予想よりもかなり少なかった。あまり盛り上がらなかったようだ。

 

宇宙飛行には今回の「民間人のみ」や「民間人初」など色々な「称号」があるようだが、ZOZO創業の前沢さんも12月に宇宙旅行へ行くが、特に何か目立つ称号はないようである。朝日新聞の記事を見てみたが、「国際宇宙ステーションへ 今冬」と書かれた見出しに続いてリード記事にも「〜初」と言ったような目をひく形容詞は見当たらなかった。前沢さんの宇宙旅行もなにかしらの称号があったのだろうけど、記事を書く側の立場から考えると「〜初」というタイトルが中途半端な称号なのにいちいち書いていたら今後も同じように書かなければならず面倒になるので避けたのかもしれない。いづれにせよ前沢さんには宇宙旅行を楽しみ無事に帰ってきてくれることを願うばかりである。