今日、塾に面白い生徒が来た
小学生の頃に体操と空手をやっていて、中学では他の部活に所属してすぐにやめたという話を聞いて、勝手に飽きっぽいのかなと思ったのだが、よくよく話を聞いてみるととんでもない身体能力を持っていて(走るくらい早く連続でバク転する姿やパルクールのようなものを練習するシーンを動画で見せてもらった)、将来はパルクールのような競技(名前忘れた)でプロを目指したいのだという。なぜ中学で体操を続けなかったのかと聞くと近所には良い指導をしてくれるところがなかったということだった。だから公園で友達と練習をしてるのだという。
さらには競技人口が2億人もいるある分野(子供が特定されるので伏せる)でアジア大会でナンバーワンになったこともあるという。
もうなんだか訳がわからないくらいに凄い。のめり込んで上達するためのスキルを獲得する能力というか、うまくなるために思考する能力というか。
さらに訳がわからないのは、彼に全く自信がなさそうであったこと。確かに勉強は苦手でだから塾に来たのだし、でもそれだけ他のことで飛び抜けていたら自信が溢れ出てくるはずだろう。
このようなことが本日起こり、「自信を持つことが大切」などといったよく耳にする言葉が全く意味のないものなのではないかとすら思えた。
もしかすると自信とは、自分に自信がないから自信があるように見せるためのいわば「とり繕い」にすぎなくて、本当に自分でやりたいことをやっていて他人の目を気にせず楽しんでいる人は、そんな対外的な外交のような自分を他者に見せる必要などそもそもないのかもしれない。
自信とは、本当は自信のない「他者よりも自分は優れているぞ」と鼻息を荒くしている人間から出るものであって、そもそも人と比較とかしていない人間からは特に意味もなく滲み出てくるものではないのかもしれない
本日もひじょーに面白い経験と思考の幅を得られた。塾で働いて良かったとまた一つ思えた。
しかしさらに思った。塾で他人の面倒を見てやりがいなどというちんけなものを得ているのは、やはり他者の人生におんぶされているようなものなので、自分の人生をより追求すべきなのだ。私の場合、他者の人生を垣間見てこのように思考をして文章に残すのも自分がやっていて楽しいことなのだが、でもやはりより純粋に他者に頼らず自分のやりたいことを追求していきたい。