時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

ユダヤの超人



イギリスでは1ヶ月だけだけど、語学学校に通っていた。ロンドンの中心から少し離れたゴルダーズグリーンカレッジというとこと。値段はロンドンでは安いほうで1ヶ月週15時間で350ポンド(約4万円)。1日時間と短いが内容はとても濃いものだった。この学校は生徒の半分を日本人が占めるという、見方によっちゃあ恐ろしい学校。俺はIELTSの試験をロンドンで受けるつもりだったのでIELTSの模擬試験を受けIELTS対策のクラスに入ることに成功した。俺のクラスには日本人はいなくて多国籍だった。ロシア、アゼルバイジャン、イラン、トルコ、タイ、韓国、中国など。みんなIELTSには2種類あり、アカデミックとジェネラル。俺がいたクラスの人たちはみんなイギリスの大学入学を目指すアカデミック受験者ばかりだった。IELTSはアカデミックの方が断然難しい。試験ではスピーキングとリスニングは両方同じ問題だがリーディングとライティングは難易度が異なる。

俺は英語も勉強してきたことだし試験でも受けてみるかと軽い気持ちで参加していた。しかしクラスメートは真剣そのものでそんな俺に容赦はしなかった。とにかくレベルが高くて、どうしてこの人たち英語勉強してるんだ?と思ってしまうほど。俺からしてみたらネイティブとなんら違いはなかった。とにかくよく喋る。圧倒されるというのはあのことで、先生が小さくなってしまうほど。「あいつはプロだ」「あいつは駄目だ」先生の批判もガンガンする。

とにかく見習える部分が多かった。授業の半分は模擬試験を受けていたんだけど、答えあわせの時、例えば選択問題などで答えがAだったとする。Bにした生徒が反論する。「いやあれはBだ」俺は「答えでAだって言ってんじゃん」と心の中で思っていたが、なぜBと思うかというのを延々と話し続け最後には「私は絶対に信じない」とまで言ってくる。たった1問にかける思いまで半端ない。

ミーナという68歳のロシア人のばあさんがクラスにはいたが、この人が本当に曲者だった。風貌はジブリの映画にでも出てきそうでとにかく毒を吐く。授業の半分はこの人の話を聞かされているといっても大げさではない。俺が何か発言するたびに「No!」とすかさず批判。「チルドレン!」といっていつも黙らせられた。

「なんでお前はここにいる?」「自分の英語力知りたくてIELTSを受けようと思うんです」「それならさっさと試験受けに行けばいいじゃないか?お前は金と時間を無駄にしてるよ」

「お前がクラスにいると授業が遅れるんだ。悪いけどお前のレベルはこのクラスには合っていない」「いやでもきちんと試験受けて入ってきたんです」「私たちは正規の試験受けて入ってきてるんだよ」「そうなんですか?」「けっ、このラッキーボーイ!」

クラスメートでランチに行く機会があったので参加した。そのばあさんは歯を治療したばかりとのことでコーラだけ注文していた。ばあさんに質問してみた。「元気の秘訣はなんですか?」「毒を食わないことだ」「えっ?」「食べ物のことだよ」「コーラは毒じゃないんですか?」

ミーナは店員を呼んだ。「あたしゃ歯が痛いんだ。コーラに入っている氷取ってくれないか?」新しいコーラがくるもいっこうに手をつけない。すると「缶のコーラにしてくれ」と今度は缶入りを要求。そしてランチ終了。結局缶コーラ開けることなく帰るばあさん。

職業は医者。旧ソ連に生まれユダヤ人として迫害を受けてきたという。これからイギリスの大学に通いロンドンで開業すると言っていた。すごい生命力だ、いやなんてかっこいい人なんだろう。毒は食っちゃいかんな。

写真が噂の超人

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