時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

ローマ



イランで知り合ったイタリア人の家にローマではお世話になっていた。イランで会って以来フェイスブックを通じて連絡を取り合っていた。ローマに来る際には是非訪ねろと言ってくれていたのだ。

名前はピノHIV感染者のカウンセリングをおこなっている40歳の独身男性だ。ローマのど真ん中のマンションの一室に住んでいた。部屋は広く一人では十分なくらいだった。一部屋開いているからとまるまる一部屋貸してくれた。彼は食事を作ってくれたり友達を紹介してくれたりといろいろしてくれた。

クリスマスはピノの実家に一緒に行き過ごすということになっていた。しかしある日、連れてはいけないと言われてしまった。それだけでなく、年末には出て行ってほしいとまで。会ってから様子がおかしいとは思っていたが、やはりなにかあったに違いなかった。俺が聞くより前に事情を話してくれた。

ピノはゲイだった。そして10年間付き合いのある彼氏と4年前に別れ、最近連絡がきたとのことだった。お互いにまだ気持ちがあることが確認できてクリスマス後に彼の家に泊まりに来るとのことだった。全く衝撃的な出来事で、しかし、話を聞いていくにつれて理解することができた。

ピノがゲイなのではないかとは薄々感じていた。家に飾ってあるオブジェやポスターなどがそれを連想させるものが多かったからだ。日本と比べればイタリアはゲイに関して寛容であると思う。あっさりカミングアウトしてくれたし、またピノもそうだと言っていた。この日の前日、友達を紹介された。4人の女性。一緒に楽しくお酒を飲んで話をしたのだが、彼女達はなんと全員レズだというのだ。それもこの時に聞かされた。それも2組のカップル。そのときには全然気づかなかった。ただゲイだから女性の友達が多いのかなと思っていたくらいだった。

彼らは大学院時代のクラスメートらしい。専攻は心理学。みんな穏やかで人の話をよく聞いてくれる人たちばかりだった。その話を聞かされた後、彼女達に再会したが態度を変えることなく付き合ってくれた。

ピノがある日ゲイバーに飲みに連れて行ってくれた。ゲイバーといっても面白がっていくような所ではなく、ゲイとレズしか集まらないバーだ。一見普通のバーに見えた。言われなければ気づかないような。ゲイならまだしもレズは判別の仕方が分からない。ましてやここはイタリア、ストレートの人たちでもみんなひっついてとても仲良く見えるのだから。トイレに行った。すると中には女性が。慌てて外に出てトイレマークを確認するも間違っていなかった。そうマークがこのバーでは逆になっていた。なんとも紛らわしい。

2回ほどピノと一緒に家で映画を見た。ピノはゲイの映画をたくさん持っていて一緒に見ることに。1つはアメリカ映画でBrokenback mountain。アカデミー賞3部門受賞している作品だ。二人の男性がお互い家庭を持ちながらも愛し合うというラブストーリーだ。英語はところどころ聞こえ内容は理解できたのだが、途中で何回も映画を止めてはピノの解説が入った。ゲイ映画を見ながらゲイのピノに解説を聞けるとは、贅沢なもんだ。ピノ自身もそうなのだが、イタリアではオープンといっても、やはり年配の人には受け入れがたいようで、映画の登場人物も、またピノ自身も親には言えずにいるという。もう1つの作品はイタリア映画だったが、こちらでもやはりゲイを中心に家庭での問題を描く作品になっていた。そしてピノの解説の詳細なこと。ゲイの心理の描写などしてくれた。また、こいつは俺の好みだ、と真顔で言ってきたかと思えば、次の瞬間には映画を見て号泣したりする。彼らの心はとても繊細だ。

写真はイタリアのカードゲームMODIANO

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