時間がくねくねしてなくてよかった

答えは人それぞれですが、何かを考えるきっかけになるようなブログを目指してます

ティヌリール、到着



マラケシュは1日で出た。観光地のアラブ人ほどやっかいなものはないからだ。行き先も決めず逃げるようにバスターミナルへ向かった。東に位置する砂漠の町エルフードに行こうとは考えていたので、途中の町ティヌリールまでのチケットをとりあえず購入した。ちょうど中間に位置していた、理由はそれだけだった。

午後3時に出発したバスはワルザザードの町を通過する頃にはすっかり闇に包まれていた。ティヌリール到着予定は午後11時だ。宿は見つかるだろうか。街灯もない荒野をひたすらバスは走り続ける。車内も電灯無しで走るので真っ暗だ。暗闇の中をヘッドライトひとつで走る光景は、まるで地獄の中にいるかのようだ。ここで放り出されでもしたらどうなるだろうか。暗闇の中、満月が不気味に輝いていた。そしてとにかく寒かった。暖房などもちろんないモロッコの格安バス。暗闇の中、寒さに震えていた。

次から次へと乗客はバスを降りていきバスの中には俺を含め5〜6人しかいなくなっていた。ようやく午後10時半頃ティヌリールに到着した。バスの中にいた男がホームステイをやっているという。なんとも愛想のいい30過ぎの男だ。完全に信用はしていなかったが、この時間だ、宿がみつかるかどうかも分からない。その日はこの男の家に世話になるしかなさそうだった。

バスを降りると屋台はまだ営業していた。俺はとても空腹で、またそれを知っていたかのように男が俺に言った。「腹減ってるだろう」その男は俺にケバブをご馳走した。このことで、ますます疑わざるを得なくなった。ただの親切な人、といことも十分にあるがここはアラブ圏だ、油断はできない。男がタクシーを拾ってきたので一緒に家へ向かった。男は灯りも灯っていない建物へ入っていく。さすがにためらった。そのとき犬が現れ、駆け寄ってきて吠えてきた。そのことが俺を少し安心させた。強盗の類ならば犬に吠えられては目立ってしまうだろうから。入ってみるといたって普通の家のようだった。大家族を思わせる広い庭と大きな家屋。どうやら考えすぎだったようだ。家にいたもう一人の男が部屋に案内してくれた。その日は疲れていたのでなにも質問することなく眠りについた。



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