時間がくねくねしてなくてよかった

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自由が欲しい人に必要なもの

自由だけ追い求めるのはやめた方がいい。自由とは「時間と金を手にすること」とほぼ同じ意味だ。しかしありすぎる時間と金は無数に選択肢を増やし、そしてその中から何かを選ばなければならない状況を作り出す。無数の選択肢から並べるのならばそんなに素晴らしいことはないじゃないかと人は思うかもしれない。しかし選べない。数が多ければ多いほど人間は選べないのだ。選択肢が増えるほど不自由になるというパラドックスがそこには存在しているのだ。

 

選択肢が多いと選べない

選択肢が多いというのは、それだけで価値だと信じている人が多いと思うが、実はそんなことはない。以下はコミュニケーションディレクターの佐藤尚之さんの著書『ファンベース』(2018年2月23日初版発行)からの抜粋だが、選択肢が多いばかりが良いことではないことを裏付けている。

 

有名な「ジャムの実験」をご存じだろうか。米コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が行った実験で、もともとは「品揃えを豊富にしたほうが売り上げが伸びる」という、あるスーパーの経営方針を確かめる狙いの調査だった。

ところが逆の結果が出たのである。24種類のジャムを置いた売り場と、6種類しか置かない売り場でどちらのほうが売れるかを比較し、当初はもちろん24種類置いた売り場のほうが売れるだろうと予想した。だが結果は、24種類の売り場では3%の人しか買わなかったのに、6種類に絞った売り場では30%近くの人が買ったというのである。

出典:2018年筑摩書房 佐藤尚之『ファンベース』より

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選択肢が増えてしまうと、結局選ぶことができずに混乱してしまうのが人間なのだ。ジャムを買うことが出来ないのは、どれに価値があるかわからないからで、絶対的に価値があると信じられる金をとりあえずは貯めておこうとなるわけだ。

 

これはジャムに限った話ではない。人生においても同じことが言える。現代は人生の選択肢があまりにも多い。人生を自分の意思で選べる人が増えていて、それで悩まされている人がたくさんいる。決め手がないからだ。そして自由を求めれば求めるほど、選択肢はさらに増え、さらに混乱してしまう。

 

自由は絶対的価値ではない

混乱するから、金と自由という絶対的価値だと信じているものにばかり目がいく。しかし残念なことに金も自由も絶対的価値などではない。使う対象があって初めて生きてくる。つまり相対的な価値でしかないのだ。

 

大切なのはどのように使いたいかと言うこと。混乱して金と自由ばかりを追いかけて選択肢を増やしすぎても、どのように使っていいかさらに分からなくなるだけだ。それよりも、自分にとって何が必要なのか見抜く目を養い、選択していくべきだ。その道が見えて初めて、金と時間に価値が生まれる。

 

金と自由よりも大切なものとは

だからまずは自分の人生の方向性を定めた方がいい。たとえまっすぐ進めなくても、定めることで金と自由にだけ依存しなくて済む。そして出来るだけ早い段階で進むべき道ははっきりさせておいた方がいい。遅れれば遅れるほど後悔というものに巡り合ったときに手遅れになるからだ。今の時代は選択肢が多すぎる。だから自分でしっかり選ばなければ、「こっちのほうがよかったかもしれない」という後悔に襲われる危険が常につきまとっている。

 

選択肢が多いというのは本当は残酷なのだ。デザートバイキングならば沢山ケーキが並んでいて幸せな気持ちになるかもしれないが、人間にとって選べる生き方は一つだけ。ケーキのように1ピースずつ味わうというわけにもいかない。食べきれなかったらまた来週来ようというわけにもいかないのだ。

 

自由についてはこの記事でもう少し詳しく書いています 

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